寂しがりやの猫
社内旅行
ちょっと ムカつきながら デスクに戻ると、旅行のしおりが配られていた。


毎年 恒例の営業部の旅行案内。

― ああ、そんな季節か… とパラパラとページを捲った。


「中河原さ~ん、旅行の案内見ました?」

結城が 村野とはしゃぎながら帰ってきた。

「ああ、今 見た」

「温泉行くんですね。私、何着て行こうかなあ」


「千里、チャンスだね」


村野にクイクイ肘で突かれて 結城は また顔を赤くした。

「やだ、もう」

結城が 恥ずかしがっていると田村達が帰ってきた。


「田村くん、社内旅行だって。行くよね」

「ああ。なんか 課長が言ってたな」

田村は あまり興味無さそうに チラッと案内を見てデスクにしまう。

なんとなく 気まずくて 私は さっさとパソコンに向かった。

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