寂しがりやの猫
片想い
「そりゃあ 重症だね…」


悠里は持ってきたモンブランを口に運ぶ。

旅行から帰った翌日は祝日で、悠里が遊びに来てくれた。


「もう、仲澤くんの嫁にでもしてもらおうかな」

ちょっと気弱になって言うと悠里は、あんたらしくないね、と笑った。


「奈都は 自分に嘘つけないでしょ。だったら 告白だけしちゃえば。そんで駄目だったら 仲澤に嫁に貰ってもらえば」

「そんな都合のいいこと出来ないよ」


「まあ 確かにね。ちょっと狡いよね」

堂々巡りになって また二人で黙り込む。

私は 冷めてしまった紅茶をもう一度入れる為に 立ち上がった。

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