不運平凡少女が目立つ幼なじみに恋をした。
ニヤリ、と笑みを浮かべて薫は保健室を目指す。畜生、騙された!文句を言いながらも薫の後をついて保健室へと向かう。翔と乃木もついてくる。なんだこの大所帯。
ガラ、
保健室の扉をあけると、優しそうな女の先生が「あらあら。」と言いながら駆け寄ってくる。「この子、熱があるみたいね。奥のベッドに寝かせてあげてくれる?」手際よく体温計やら冷却シートを用意しだす保険医に頷き、薫はベッドに心を寝かせた。
「よし、俺がここちゃんの隣で寝てや「ふざけんな!」
ばしっ、と南の頭を叩く。「じょ、冗談だって。」
「皆、心ちゃんのお友達?」
心の体温を測りながら、保険医は問う。「あ、はい。」「愛されてるのね、この子。」「俺は相思相愛だけど佐倉君だけ一方的な愛です。」「は!?んなわけねーだろ。俺は心の彼氏!」
ぎゃーぎゃー騒いでいると、保健室では静かにね。と注意をうけた。2人して黙ると、今度は翔が薫に声をかける。
「ねーねー尾花サン。」
「...何。」
鬱陶しそうに返事をすれば、翔は突然真剣な表情で薫の手を握る。
「付き合ってくださ「俺男なんだけど。」「そんなの認めない!絶対嘘だろ!たとえ男でも愛する覚悟はあるけどさ!」「正気?」「男に二言はない!」「...ほら、男だろ。」
薫は躊躇いなく翔の手を自分の股間に軽くあてた。これには薫以外の全員が目を見開く。
「ッ、ギャアーーー!」
「さっきからうるさいのよ静かにしなさい!!!!」
温和で優しそうな先生が、顔を鬼にかえて怒鳴った。一瞬で保健室は静かになる。