不運平凡少女が目立つ幼なじみに恋をした。
「え、ホント?」「うん。」薫の言葉に頷く。俺は心を背負い保健室まで行くことに決めた。しかし、俺が背負おうとするより先に薫が前に出る。
「は?」
「俺が背負う。」
「なんでだよ!」
「だって佐倉君より俺の方が背高いし。」
「身長関係ねーだろ!」
「...身長できめるなら一番高いの乃木じゃね?」
翔の言葉は一理ある。俺と薫が黙ると、乃木は「なんで俺が運ばなあかんねん。」と呟く。
たぶん乃木は、自分が運ぶと心が更に周りから距離を置かれると思っているのだろう。
「間をとってオレがここちゃん運ぶ「「お前は絶対駄目!」」...な、なんだよ2人してさー。」
こうしている間にも、心の状態は悪化していく(ような気がする)
「...俺は心の幼馴染で、彼氏なんだよ。男女は黙ってろ。」
「俺は心ちゃんのトモダチなんだけど。...それに、」
「?」
突然、薫の表情が沈んだ。
「俺がさっき、心ちゃんをからかったから、熱があがったのかも。俺の責任でもあるし、俺に運ばせて。」
真剣な表情で言う薫を見て、俺は言葉をつまらせる。薫は罪悪感を感じているみたいだ。さっき何があったのか知らないけど、そこまで言うなら譲ってもいいきがする。
「...わかった。」
「...うん。」
薫は頷き、ぐったりしている心を軽々と背に乗せた。瞬間にさっきまでのバツが悪そうな、罪悪感を感じているような表情から何時もの生意気な顔に豹変する。
「あ、心ちゃんって思ってたより胸あるんだね。」
「てめー薫!今すぐ心を降ろせ!」
「無理。」