【完】そこを右に曲がると、~少女館、そこは闇持つ少女の集う場所~



まさか・・・。あの時捨てた人形が、こうした形で会えるなんて・・・。


本当は、喜ぶところだろうけど、私は恐怖で体が震えた。


あの老婆は、復讐と言っていた。


・・・さっきの話が本当ならば、私はリンネに殺される?


「・・・大丈夫だよ。結香ちゃん。私は、結香ちゃんに復讐しようだなんて思ってない。ただ・・・。もう一度結香ちゃんに会いたいから、こうして少女を集めていただけ・・・」


そう言うと、リンネは目を伏せて続けた。


「8体は、直ぐに集まったの。・・・この町には、色々な噂が多いから。・・・でもね、残りの2体は見つからなかった。だから、9体目は同じ少女である私を使ったの」


何だろう?この、得体の知れぬ不安は・・・。


何かリンネは、恐ろしいことを考えている気がする。


「そして、私は考えたの。残りの1体は、この館に誤って迷いこみ、少女を買ってしまった少女を、10体目にすればいいんじゃない?って・・・」


リンネのその言葉を聞いた後、私の背中から冷や汗が流れてきた。


どうしよう・・・。

私は、恐ろしい罠に嵌ってしまったんじゃないだろうか?


「次に結香ちゃんに見せる少女は、この館にいる最後の少女。その名も"迷子少女"。じゃあ、次のガラスケースに進んでくれる?」


私はリンネの言われたとおりに進んだ。


・・・これで、これでやっと家に帰れる。


そう言い聞かせ、次のガラスケースに向かい、ろくにガラスケースの中も見ずに赤いボタンを押してしまった・・・----



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