【完】そこを右に曲がると、~少女館、そこは闇持つ少女の集う場所~
「結香様って、単純馬鹿なんですね」
ふと、臨音さんの声が聞こえたような気がした。
「?臨音さん?なんか言った?」
私が首を傾げて尋ねると、臨音さんは慌てて答えた。
「へ?・・・あ、いえ!!何でも御座いません!!ゆっくり見ていってくださいな」
「そう・・・」
私はあまり気にせず、そのまま別の少女を見た。
"死にたがり少女"
"Want to die; a girl"
こう書かれたプラカードを見て、私は興味を持ったのだ。
ガラスケースの中で、今にも泣きそうな顔をしながら、左手に包丁を突き立てている少女。
しかも、少女の首にはロープが巻きついている。
よく見ると、少女の周りにはたくさんの凶器があった。
・・・何故この少女は死にたがっているのか?
私は気になり、赤いボタンを押した。
そんな私の様子を見ていた臨音さんは、一瞬驚いた顔をしたが、すぐに戻し怪しい笑みを浮かべた。
「!!・・・それは、少女館で最も危険な少女。・・・お気をつけくださいね。結香様」