【完】そこを右に曲がると、~少女館、そこは闇持つ少女の集う場所~



つもりだった。


----ガシッ!!


突然強い力に引っ張られて、私は落ちずに柵にもたれかかった。


「えっ!?」


私は驚き、隣を見た。


「ハァ、ハァ。・・・何やってんの?」


隣には、息を切らした尾畑君が立っていた。


「どうして、ここに?」


「何やってんの?って聞いてんの!」


今日の尾畑君は何処か様子が違う。

いつもより怖い顔だし、低い声。

私はそんな尾畑君が怖くなり、素直に答えた。


「・・・死のうとしたの」


「・・・何で?」


「尾畑君には関係ない!」


「関係ある!!」


「どうして!?」


「俺は奥谷さんが好きだから、居なくなってほしくない!!」


「え?」


それは、尾畑君の突然の告白だった。

・・・好き?尾畑君が私を?

だから私に構ってきたの?


止めて・・・


「俺は、奥谷さんが好きなんだよ」


止めて・・・


「奥谷さんはどう思ってたか知らないけど・・・。俺は一緒に昼飯を食べれて良かった」


嫌だ。どうして、そんなこと言うの?

自分でも好きになれない私に、「好き」なんて言わないで!!


< 82 / 221 >

この作品をシェア

pagetop