Mary's Boy Child ―お父さんとお母さんはねこになった―



「ケッコンしているならね、ちゃーんと仲良くしないといけないよ。大好きだから一緒にいるんでしょ?」



ね?
 

仙太郎はあどけない笑顔でおれ達を抱き締め続けた。


「ぼくのお父さんとお母さんも」


大好きだから一緒にいるんだよ、自慢げに教えてくれる息子の言葉に照れてしまうおれがいた。

子供の無垢さは最強だな。



「だけど最近、喧嘩しちゃったんだ。ぼくのお父さんとお母さん…、ぼくのせいで」

 

ぎゅうっと腕の力を強くする仙太郎に、おれと頼子は思わず目を見開く。


なんでお前のせい?

それはどういうことだ?


聞きたいことは沢山あるのに、残念ながらおれ達はねこ。


仙太郎の気持ちを聞くことは出来ずにいた。

< 16 / 59 >

この作品をシェア

pagetop