私たちの恋模様
HRの後、担任の小出が俺を手招きする。

「長谷川、お前ちょっと来い。」

「なんすか。」

とか言いつつ、理由は分かってる。


「毎日毎日遅刻遅刻で………」

「すいません。」

話半分に聞きながら、適当に返事をした。


「また怒られてるね。」

席に戻る時、前の席に座ってる橋本が俺に話しかけてきた。

「遅刻っつっても2~3分くらいどうってことないだろ。」

授業には間に合ってるわけだし、別に誰にも迷惑かけてないし。

「先生より遅く教室に入ってくるくせに、堂々とするのは止めた方が良いよ。」

「関係ねぇじゃん、お前には。」

迷惑かけてないだろ。

「先生の厳しい視線が私の頭上を通過するのって、気分悪い。」

そう言って眉間に皴を寄せて前に向き直った橋本。

……なんだよ。
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