恋する24時

「……郡司」



「ん?」



「好き……」



「えっ!?」





 郡司は

 目を見開いてアタシを見た。





「……」





 やっぱり驚くよね?



 そんな気分になれないのは

 アタシも

 同じだったけど。



 どおしても

 今、自分からちゃんと

 伝えたかった、から……。



 もう

 回り道とか

 後悔とか、したくない。





「……」





 でも

 引かれちゃったかな?





「……」





 けれど



 アタシを支えてくれてた腕に

 ゆっくりと力が入る。



 あっ……。





「……俺も」



「……」



「どうしょうもないくらい、波那が好きだよ」






 郡司の照れた横顔に

 少しだけ幸せな気持ちが浮かんだ。





「……」





 2人顔を見合わせて

 一緒に笑った。




 嬉しいのに

 苦しくて……。



 アタシは、笑いながら

 あふれ出る涙がこらえられなかった。



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