恋する24時
失敗した…――
目が覚めたら見知らぬ天井
なのはイイとして
「……」
出張先のベッドの上
隣にはナゼか
後輩くんが裸のまま寝息を立て
腕枕までしてくれている。
「……」
何がどうしてこうなった?
頭の中で思考を巡らせてみても
思い出すことが出来ない。
ん~?
こんなの初めてだぞ?
「おはよう、伊織さん」
ドキッ
思っていたより低く
ハスキィな寝起きの声で
後輩の生方尚人が
あたしを引き寄せKISSを
しようとした。
「……おはよう」
生方の顔を片手で退けて
あたしは目一杯先輩っぽくして
挨拶をする。
「……何ですか? この手」
「現状把握前ナンだけど?」
あたしの言葉に
生方の目が大きく見開いた。
「まさか、覚えてないの?」