恋する24時

 覚えてないから

 何てリアクションしていいのか

 困る。





「まっ、いっか!! 伊織さん」



「な、なに?」



「覚えてなかった代わりに、これからどんどんオレのこと、意識してくださいね?」



「!!??」





 いつの間に

 こんな顔をするようになったの?



 と、驚くくらい

 あたしを魅了する笑顔で

 生方は言うと



 えっ!?



 すくい上げるように頬を包んだ左手が

 流れるような自然さで唇を捕らえ





「……っン!?」





 あたしが目を見開くより速く



 そして

 深く、強く彼の唇が重なった。





「……」





 うっわぁ

 ナニコレ!?





「……っ」





 気持ち、イイ…――





 ヤバい

 振り、払えない。



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