俺のシンデレラになってくれ!
「大学の授業で1人の先生が教えてくれる解釈だから、本当に役に立つかって言われると、答えにくいんだけどね。
これから台本を読んでいく時に、登場人物の心情とか、背景とか、自分なりに掴んでくヒントになればいいなって」



さらりとしてるのにしっかりと可愛い高山さんの声が、とんっと跳ねた。


篤とは少し違って雰囲気はやわらかいけど、結に対する思い入れの強さは十分伝わってくる。



「サ棟を覗きに行った時も思ったけど、結の空気ってものすごく独特だよね。静かなわけじゃないけど、騒がしいって感じでもなくて。
ウチのサークルなんてうるさいだけだからさー」


「ウチだって結構うるさい時あるよ?篤なんて飲むとすごいし」


「お酒弱いの?」


「確実に強い方。ただ、テンションが上がるのが早いんだよね。篤って、5月が誕生日なの。
その時に先輩の部屋で20歳のお祝いしたんだけど、うるさくて隣の人からクレーム入ったからね」



誕生日。つい最近、そんな話をした気がする。


あれは篤の部屋に行った時だったな、なんてところまで思い浮かべてから、何となく、考えるのをやめた。



大学生なんて、大学2年生なんて大人じゃないって思ってはいたけど、“20歳”って言葉を聞くと、篤でもひどく大人に感じられるから不思議だ。


……ちょっと失礼な言い方かもしれないけど。



あたしを挟んで会話をする2人の間で、ぼーっと視線を漂わせる。



「篤って酔うとどうなるわけ?」
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