俺のシンデレラになってくれ!

 3

「1時間以内に可愛いと思う服と靴を揃えて、購入してくること……」


「何それ?」


「……迷惑メールじゃない?」


「間違ってない。ある意味」



何の脈絡もなく、いきなり送られてきたメールの画面を覗き込みながらあたしは大きく息を吐いた。


どれだけ思いっきり空気を抜き出しても、重たい気分が抜けないのは不思議だ。



「購入って言われても、あたし3000円しか持ってないんだよね。今日」


「……それ、1着買えたら拍手レベルね。セールの時期じゃないし」


「セールって年末か年始からだよね?あー、意味がわかんない」



いきなりおかしなメールを送ってきたのは、もちろん篤だ。


彼意外に、こんなにも非常識なことをする人間をあたしは知らない。



「1時間って、今から1時間ってこと?駅ビルで買うにしても、あんまり時間はないけど」


「でも、無視しても平気じゃない?
直接言ってこないってことは、篤もきっちり監視するつもりじゃないんじゃ……」


「来てるの。あたしにもメールが」



びっくりして覗き込んだ晴香のケータイには、あたしに来たのと同じようなシンプルなメールが届いていた。
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