苦く甘い恋をする。
首を横に振り、机に手をついて立ち上がる。


「お疲れ様でした。お先に失礼いたします」


おしゃべりに夢中の受付メンバーの横を通る際声をかけて、私は控え室を出てロッカールームに向かった。


今日は小山くんとディナーだったな。


念入りにメイクを整え、腕時計に視線を落とす。


でも……約束の時間まで、まだ少しある。


さて、どうしよう。


愛海は今日も早番で、もう帰った様子だし。



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