苦く甘い恋をする。
「奥脇さんが、そうとらえれば、そうかもしれないわね?」


「…………」


「でも……」


大人の色香を纏わせた長い巻き髪をふわりと揺らし、栗林さんは隣の席に座る私にチラリと視線を向けた。


「それは、私達の忙しさや心の動揺、緊張や不安、嫌悪など……。
いろいろな負の感情が外に溢れ出していない証拠じゃない?」


「…………」
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