仕事上手(?)で恋愛下手(!)
『さっき、電話に出れなくて
ゴメン。ちょっと出掛けてて。』

電話の向こうから、ガチャガチャと
鍵を開けているような音が
聞こえてきた。

「急かしちゃって、ごめんなさい。
絢子さんの件でお礼が言いたくて
お仕事中かもとは思ったんだけど
電話しちゃいました。」

やっと思い出した台詞を伝えると

『お礼なんて、特に何もしてないから
良かったのに・・・。』

電話では私の姿が見えないのは
知っていたけど、思わず首を横に
振りながら

「そんなことないんです。
あの時、電話もらったことや、

病院に来て火災の原因は
彼女じゃないかもしれないって
励ましてもらったこととか
すごく、嬉しかったから・・・。」

『花菜さん。きっと自分のこと
責めてるんじゃないかって
余計なお世話かもしれないけど
心配になっちゃって・・・。

元気になってくれてて本当に
良かった。』

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