仕事上手(?)で恋愛下手(!)
電話の向こうから聞こえる陽希君の
優しい声は私をほっこりと穏やかな
気持ちにしてくれた。

「ご心配ありがとうございます。
陽希君、今日は休みだったんですね。」

陽希君がこの時間電話に出れる
ということはほぼ休みといことだと
前に教えてもらったことがあった。

『今日は、結局お昼まで残ってて、用事があるからって
やっと帰ってきて、その用事を今済ませたとこ。』

陽希君の周りの音はさっきとは変わって静かになっていて
自室にもどったんだなっていうのが雰囲気からも
分かった。

「お陰さまで何とか、絢子さんは落ち着きそうです。
何て言うか…、
『雨降って地固まる』みたいなもんです。」

っと言うと

『良かったね。なんか、こうやって話をしてると
逢いたくなっちゃうね。』

サラッと言ってくれた一言に頬が赤くなるほど
ドキドキしてしまった。
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