【短編】message
真美がドイツに旅立って、数日後。
彼女からの手紙が届いた。
出発する前に投函したものらしかった。
女の子らしいピンクの便箋に綴られた、僕へのお礼。
“春樹くん、色々ありがとう。
もしも美奈の声をまた聞くことがあれば、教えてください。
向こうで何が変わるかはわからないけど、私自身のためにたくさんのことに挑戦してみようと思ってます。
PS:美奈の朝顔にまた種ができたので同封します”
―おばあちゃん、僕は少し大きくなったみたいです―
美奈と僕が会話できた理由はまだよくわからない。
僕は未だに時々『声』を聴くけど、彼らに僕の声は届いていない。
もしも、この先、
再び僕の声が届くことがあったなら、僕は彼らに耳を傾けよう。
僕にできること、それは
彼らの『声』を
伝えたい相手に
届けてあげること。
そう、大事なメッセージを。
【完】
彼女からの手紙が届いた。
出発する前に投函したものらしかった。
女の子らしいピンクの便箋に綴られた、僕へのお礼。
“春樹くん、色々ありがとう。
もしも美奈の声をまた聞くことがあれば、教えてください。
向こうで何が変わるかはわからないけど、私自身のためにたくさんのことに挑戦してみようと思ってます。
PS:美奈の朝顔にまた種ができたので同封します”
―おばあちゃん、僕は少し大きくなったみたいです―
美奈と僕が会話できた理由はまだよくわからない。
僕は未だに時々『声』を聴くけど、彼らに僕の声は届いていない。
もしも、この先、
再び僕の声が届くことがあったなら、僕は彼らに耳を傾けよう。
僕にできること、それは
彼らの『声』を
伝えたい相手に
届けてあげること。
そう、大事なメッセージを。
【完】

