同居人の秘密~瞳の魔法に魅せられて~
 その居酒屋さんは、会社の人達とちょくちょく行くお店で、料理がとても美味しい。料金も手ごろだし。


 のれんをくぐって店内を見渡したら、もう陸がいて「よお!」と私に手を上げた。


「ごめん、待った?」


「いいや、俺も今来たばっかり」


「そっか」


 4人掛けの席に陸と向かい合って木の椅子に腰掛けると、店長さんがおしぼりを持って来てくれた。


「中山さん、いらっしゃい。今夜は見慣れない人と一緒だね。彼氏かな?」


 なんて店長さんが言うから、


「ち、違いますよー」


 と、私は慌てて手を振って否定したのだけど、


「はい、彼氏でーす」


 と陸は言った。おどけた感じで。


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