同居人の秘密~瞳の魔法に魅せられて~
 翌朝、下に降りて顔を洗ったりしていると、早くもキッチンから美味しそうな匂いが漂っていた。


 「夏姉、おはよう」


 エプロン姿の夏姉が振り向くと、「あ、秋ちゃん、おはよう」と優しい笑顔を向けてくれた。


 いいなぁ。私もこんなお嫁さん、ほしいなぁ。

 本気でそんな事を思ってしまう私だった。


「何か手伝おうか?」


「うん、じゃあこれをダイニングに運んでくれる?」


「はーい。あれ? 何か、いつもより数が多くない?」


「それはそうでしょ? 今日から二人増えたんだから……」


「ああ、そうか」


 海さんと陸の分が増えたわけね……。

 私は同居人の存在を、改めて実感するのだった。


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