同居人の秘密～瞳の魔法に魅せられて～

「それとあなた達、陸さんの事を呼び捨てにしたり、“陸君”なんて呼んだらダメよ？ あちらは年上なんだから……」


　そう夏姉が言うと、「それは……」と海さんが言葉を発した。


「横から口出してすみません。あいつの事はどう呼んでも構いませんよ。あいつは気さくな奴だから、むしろ“陸さん”なんて呼ばれるより喜ぶんじゃないかな」


　海さんはそう言ってくれたけど、「でも……」と夏姉は不服そうだった。



「ところで海さん、ひとつ聞いていいですか？」


　私は海さんが会話に加わったので、疑問に思ってる事を聞いてみるチャンスだと思った。


「もちろんいいですよ。何でしょうか？」


「あ、はい。陸、さんは……」私は夏姉をチラッと見て“さん”を付けたけど、「“陸”でいいですよ？」と海さんは微笑みながら言ってくれた。


「はい。えっと、陸ってどんな仕事をしてるんですか？ １０時起床って事は、夜のお仕事とかですか？」