ブラウン管の中の彼女


「想像で物事を考えちゃいけないよ?祐君の気持ちは祐君にしか分からないんだから」


諭すように言ういーちゃんに実早も負けじと反論する。


「でも!!祐ちゃんはキスしてって言うと必ず困った顔するもん…」


もし祐ちゃんに嫌いって言われたら…それが実早は一番怖い。


「理由は聞いたの?」


いーちゃんがそっとため息をつく。


「え…?」


「みーちゃんの暴走癖はいつまで経っても直らないね」


いーちゃんは苦笑いしていた。


「それじゃ疑われてる祐君が可哀想だよ」


いーちゃんはあくまで祐ちゃんに同情的だった。


「聞いてきな。あたしの目から見ても祐君はみーちゃんのことが好きだよ」


いーちゃんの目はすごく温かくて、嘘をついているようには思えなかった。


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