ブラウン管の中の彼女




「ふう…」


ベッドに横になるととたんに体が楽になった。


祐一郎はきっと気がついてる。


俺が別れろって言ったのは実早が嫌いだという理由以上のものがあるってことに。


「なんでよりにもよって実早なんだよ…」


あいつの女の趣味ってわかんねえ…。


まあ、そんなこと言ったら実早のファンは全員女の趣味がおかしいことになるけどな…。


顔だけならともかく性格も考慮に入れるとなるとそうとうな努力が必要そうだ。


祐一郎も運の悪い奴…。


あんな女に気に入られるなんてな…。


連日の疲労のためか俺は祐一郎が起こしにきたのにも気がつかず、いつの間にか寝ていた――…。



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