ブラウン管の中の彼女



「おーい、祐!!戻ってこーい~!!」


太一の声が遠くから聞こえる…。


僕ははあっと大きなため息をついた。


昨日の夜中に実早ちゃんに叩き起こされ、聞いた話があんなこと…。


最初から相手にされてないとは思ってたけど…。


実際に本人から聞くと堪える…。


結局、実早ちゃんが帰った後も寝れなくて今日は大遅刻。


つくづく運がない…。


僕は机の上に頭をのせ、さらに深く意識を奥底に追いやった。


実早ちゃんの好きな人って誰だろう…?


僕の知ってる俳優さんかな?


それとも歌手?


想いを封印しようとしてたくせに考えていることは実早ちゃんの想い人。


なんだかなぁ…。


矛盾してる…。



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