初恋の実らせ方
この性悪っぷりを、母親にチクったとこでどうせ信じてもらえない。


「一割なんて無理!」


彩はベッドに乗り上げ手を伸ばすけれど、あと少しのところで届かない。


英知を部屋に通すなら、どうして洗濯物をしまっておいてくれなかったのだろう。


そのブラは赤いチェック柄でお気に入りだったのに。
今後、英知にからかわれた記憶が付いてまわると思うと悲しくなる。


「いい加減に返してってば!」


泣き出しそうな彩を見て、英知は少し考えるようにして言った。


「―――じゃあ一割」


英知はブラを放り出すと、そのまま両手で彩の胸をギュッと掴んだ。
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