昇格試験
数十年振りに得た、生身の肉体。

無論、生者とは言い難いのかもしれない。

だが、これでいい。

これでいいのだ。

小岩井さんは蒼々と輝く、真円の月を見上げる。

「これで貴女を守れるのならば…私は死神にでも悪魔にでもなりましょう…」





新参者の死神は、白く穢れ無き雪の少女を思い浮かべながら呟くのだった。






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