昇格試験
「しかし…」

生まれ変わった『同僚』に、白兎の君は解せないといった表情をする。

「何故です?まさか貴方ほどの識者が、ただ肉体欲しさに死神の職務を受けるとは思えませんが…」

「…………」

やはり小岩井さんは黙して語らぬまま。

最後まで白兎の君に、その胸の内を聞かせる事はしない。

「…まぁ…いいでしょう」

彼女は小岩井さんに背を向ける。

「動機はそれぞれ…死神の力を悪用するような貴方ではないでしょうしね…」

白兎の君は、静かに屋上を下りていく。

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