昇格試験
「ですが…」

チラリと。

白兎の君は小岩井さんを見つめる。

「どういった心境の変化ですか?保健室の穏健派…あれ程争いを好まなかった小岩井さんが、死神のような汚れ役を甘んじて受けるなんて…」

「…………」

無言のまま、穏やかに立つ小岩井さん。

その胸の内を、語る気はないらしい。

白兎の君もまた、問い詰めるつもりはない。

死神の昇格試験に必要なのは、動機に非ず。

必要なのは。

「!!」

そのリードグレイの髪が、瞬時に白髪へと変わる!

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