先輩の妹

俺の相づちが気に入らなかったのか機嫌を悪くしてしまったようで、椎は後ろでバランスを崩すようにグラグラと揺れだした。

「うわ!あぶねっ」

「はははっざまーみろ。」


「(…こいつ…)」

俺はバランスをとり直すと椎を軽く睨んだ。

「…何よ?覗き見してたくせに。

謝る気ないなら無事送ってってくださーい」

そう言って椎はいたずらに笑う。

その笑顔はそれだけ見れば普通の男子はたまらなく可愛いと思うのだろう。

しかしながらコイツにはこの顔に合わない悪い口がついていて。

「…だから謝るって言ってんだろ、ごめんて。」

「ははっ」

また椎は笑う。

「年上で遊ぶなよ」

「たかっておもしろいね」

不意に呼ばれた名前にわずかながらドキっとしてしまった。
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