嘘吐きの僕と正直な君。

「あぁ~ん、タイガーッ」

彼女は僕の幼馴染、兼親友の、三坂 ちな。

正式な字は知名なのだが、「ちめい」と読まれるため、普段は平仮名表記なのだそうだ。

2人とも兄貴が居て、しかも同い年なので母親、兄貴、私たちと、家族ぐるみで仲がいいのである。

「ん~、どうした~」

「どこにいい男っているのよぉ…!もう」

「僕に言われても困るぞ、それ」

「大河が男だったらあたし、結婚してたわよ」

顔も性格も人気もそこそこいいちなは彼氏をまさにとっかえひっかえである。

しかし、彼女の言葉を借りれば、どっきゅーんってくる人は居ないらしい。

そのため、僕がその様である。

「残念、生憎僕はあるとこあって、無いところが無い。正真正銘の女だ」

「じゃ、もうあたし、レズになるわ」

…えぇ~

…ん?
「…。」

「なぁ~んってね、じょうd――」

「…女の子と恋したらどうなるんだろう…」

「…え?ちょっ、えっ!?」

「だって、男と付き合っても何も無かったし…」

「大河、それは世間体的にどうかと思うよ。親友として全力で止める」

「うぅ…」

ちょっと、本気ではあった。

刺激があっていいかなと。


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