嘘吐きの僕と正直な君。

嘘吐き


僕はポーカーフェイスが特技のうちであったりもする。

というか、ずっとポーカーフェイスであるため、何が本物かを見失ってしまった。

笑顔は常に偽り物、人前で泣く事もない。

本気で怒った事もないし、喜びを全身で味わった事も無い。

人を好きになったことも、ない。

なんというか、「心から」と言う物をもっていないのだ。

今まで、彼氏というものは何度か持ってきた。

皆、半年とせぬうちに僕から別れを告げた。

振られたこともあったし、振ったこともある。

しかし、誰もその「心から」は教えてくれなかった

僕とは正反対の彼。垣之内 優喜。

彼の周りはいつも強い感情で覆われている気がする。

お腹抱えて笑って、本気で喧嘩して、大声で泣いて…

まさに、青春やってます!!みたいな。

僕はきっとその中には入れない。

その人たちは僕のことをきっと、少し古い言葉で「KY」とか言うんだろう。

空気なんて、読むものじゃないと思う。

素直に感情のままに居て、そのままの自分を理解してくれる友達と居ればいい。

…今は居ないけど。

まずは私が素直にならないといけないはずなのに。

もう素なんて忘れたし。


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