AEVE ENDING other storys





ずっとずっと、ずっと先へと延びる地平線を宛もなく進んでいた。

進んでいた、という言い方はおかしいかもしれない。


(…漂っている)

目的も意図もなく、ただ淡々とその作業をこなすだけ。
二週間、飲まず食わずのこの体はそれすら拒絶するかのように言うことをきかなかった。

(つかれた…喉がいたい、)

思えば毎日毎日、同じことばかり考えている。

おなかがすいた。

のどがかわいた。

つかれた。

ねむい。

くるしい。



(…つらい)



一月程前、身を寄せていた集落から追放された。
原因はなんだったのか詳しくは知らないが、恐らく余所者に対する慈悲はないと言うことだろう。

身を寄せていたと言っても、たった数ヵ月ぽっち。
気付いた時には荒野を流離う立派な放浪者になっていた自分には、珍いことでもなかった。


(…足がいたい)

もう歩く気など毛頭起きなかった。
ぐらぐらと湧いていく頭に、最早理性などない。

この苦しみしか産まぬ世界を呪ったのは、何度目だろうか。



< 2 / 2 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:19

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

宇宙を旅するジャンヌフィーユ
森モト/著

総文字数/509

ファンタジー1ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
例えば 隣の席には火星人がいて、 忘れものをしてばかりの私のために一緒に教科書を見せてくれる。 食堂では土星人が故郷の六角形の雲について語ってる。 校庭では水星人が地球人とサッカーをしている。 足が八本あるから有利に見えるが、よく踏まれて悲鳴を上げている。 やめればいいのにとクラスメイトの女の子が言うと、 でもやりたいんだとない口で笑った。 帰り道が一緒の地球人の男の子と、夜空を見上げながら帰る。 彗星が艶やかな尾を引いて流れていく。 あの彗星にもきっと誰かが生きている。
ボツネタ集
森モト/著

総文字数/10,652

ファンタジー2ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
過去のボツネタ集です。
転生幼女はもふもふたちに愛されて最強でしゅ!
森モト/著

総文字数/108,744

ファンタジー14ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
リファは六度の転生と壮絶な死を経て、 七度目で絶世の美少女に生まれ変わった。 ただし前前前前世からずっと引き継いでいる 〝動物と会話できる〟能力はそのままに――。 そんな彼女が、 家出したり恐ろしい美貌の青年に世話をやかれたり謎の物体(UMA)に懐かれたり国を救ったりするお話です。 ※森モトが頑張って慣れない「でしゅましゅ」つかってます。 よろしくお願いします。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop