guard&search~幕末転生~
「実は…
法度の作成は出来た。
後は局長の了解だけだ。
…すまねぇな…サンナンさん」
土方の最後の呟きが、一番山南死を悲しんだ証拠だった。
山南はそんな不器用な土方を理解していると笑みを深めた。
「わかっているよ。
土方君」
副長2人にしかわからない思い。
認め合っているからこその思いだった。
「…ならば、良い。
今日、明日には許可を取るべきだ。
屯所にお梅はまだ現れていない。
法度は歴史上必要不可欠だ。
来月…大阪だ。
お梅も現れる。
気を引きしめてかかってくれ」
紅妃の的確な指示は歴史を踏まえたものだった。
皆頷き解散となった。
副長2人はとりあえず、近藤の許可を取りに行くと部屋を出ていった。
「紅妃さん!
稽古行きましょう!」
「…やだ」
沖田の誘いに即答する。
沖田の笑顔がどんどんキラキラしていく。
「行くんですよ!
一君だってしたいですよね!?」
「うむ」
沖田の強引な誘いに乗っかるのは好ましく無いが、こうでもしないと紅妃は昼の稽古に来てくれない。
沖田が紅妃の左腕を掴むと、斎藤は右腕を掴みズルズルと引き摺り出ていった。
「俺達も見に行くか?」
「おぅ。行こうぜ」
「紅妃の稽古見たいしね~」
原田の問いに了解すると3人も、紅妃達を追いかけた。