揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
カシャーンッ


と、私のフォークがお皿の上に音を立てて落ちた。


「な、なっ……」


あまりの衝撃に、頭が真っ白になってしまって。

なかなか言葉が出てこない。


「俺、こう見えても…子供嫌いじゃないよ?」


いやっ、問題はそこじゃないからっっ!


しれっと言ってのける彼に、思わず心の中でツッコミを入れる。


「わ、私はまだ高校生だしっ。っていうか、君はまだ小学生だよねっっ!?」


とりあえず、諭すようにそう一気にまくしたてる。

だけど、彼は納得いかないって感じで。


「結婚できないと、子供作っちゃダメなわけ?」


「ダメっ、絶対ダメっっ。まず、年がダメっっっ!」


肩で息をしてしまうぐらい、私は興奮していた。

もちろん、≪嬉しくて≫じゃない。


ホントに子供作りかねないから、怖いんだってば……。


「由佳は欲しくないの?俺の子供」


「あと10年経ったら、同じ事言って……。そしたら、迷わず欲しいって言うから」


「10年か…随分先だね」


そう言うと、諦めたらしい彼は再びドリアに手を付け始めた。


私はというと。

一連の会話で心身の消耗が激しすぎたのか、食欲がどこかに消えてしまっていて。


とりあえず、水を飲んで気持ちを落ち着かせる事にした。
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