揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
電話を切ろうとする指が、微妙に震えていた。

極度の緊張と不安から来てるんだろうって事は、嫌でも分かる。


彼氏のお母さんと2人で会うって、どういう事なんだろう……?

それより、私達がつき合ってるってお母さんは知ってるんだろうか?


「知ったから…とか?」


自然と口をついた、私の疑問。

私と大翔君がつき合ってるって知ったから、お母さんは私に電話をかけてきた?


ずっとモヤモヤしていた何かが、もう少しで晴れそうな気がしてきた。


土曜に偶然会った時は、お母さんはつき合ってるって知らなかったはず。

それは、あの時の大翔君の態度で分かる。


じゃあ、その後にバレたんだとしたら?

そして…私との交際を反対されたんだとしたら?


全てが、納得がいく。


「だから……」


手にした携帯の、メール受信の画面を開く。

土曜の夜に、大翔君から送られて来たメール。


≪悪いけど、明日会えなくなったから。修学旅行から帰ったら、また連絡する。≫


お母さんに反対されたから。

だから、とりあえずこんなメールを送って来たんじゃないの?
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