揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
開店時間からしばらくは、そんなにお客さんも入って来なくて。

おかげで午前中は、手のろいながらもなんとか仕事をこなしていくことができた。


交代で取る30分のお昼休憩の後。

店に戻ると、あんなに空いてた席がいつのまにかびっしり埋まっていた。


「お、遅くなりましたっっ」


30分を過ぎてはないものの、なんだか申し訳なくて慌てて持ち場に戻った。


「ゆっくりしてきて良かったのに」


私の代わりをしてくれていた沙希が、慣れた手つきで商品のカップに蓋をしていく。


「忙しいのに、そんなわけいかないよ」


急いで手洗いを済ませ、私も手伝って蓋をはめていった。


「今日は土曜だし、これからが忙しくなるからね」


テキパキとこなしていく沙希を心底尊敬しつつ、私もできるだけ早く手を動かしていく。


だけど、お客さんはどんどん増える一方で。


3時ともなれば、いつの間にか店の中いっぱいに行列までできてしまっていた。

席に座れなくても、テイクアウトしていく人達がたくさんいる。


「モカフラぺチーノのトールでお待ちのお客様。お待たせいたしました」


商品を渡す係の私。

商品名を間違えないように言うだけでも大変だ。


お客様の顔もろくに見れないぐらいに、いっぱいいっぱいになっていた時だった。
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