揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「由佳ちゃん」


私の名を呼ぶその声には、つい最近聞き覚えがあって。

ドキッとしながら視線を向けると……。


「かわいいじゃん、制服姿」


そう言って人懐っこい笑顔を向けてきたのは、紛れもなく弘登先輩だった。


お洒落なロゴの付いた白のTシャツにジーンズ姿の先輩は、ただでさえ目立つ容姿を際立たせていて。

そばを通る生徒達が、みんな先輩に目を向けている。


「弘登先輩……?」


来る事を知らなかったのか、真吾は驚いた表情でそう声をかけて。

屈めていた体を、ゆっくりと伸ばした。


「久しぶりだな、真吾。もしかして、由佳ちゃんの彼氏って……?」


私と真吾の顔を交互に見ながら、意味深な表情で先輩が尋ねてくる。


先輩、もしかして真吾が彼氏だと思ってる?


慌てて、私は首を横に何度も振った。


「違うの?」


「残念ながら、元彼氏です」


そう答えてくれたのは、真吾だった。

冗談っぽく言いながら、苦笑いを浮かべている。
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