愛かわらずな毎日が。


いつからか、意識していた言葉。

欲しかった言葉。


それが、今ここに。


「ほ……っ、ほんと、に…」


ふわりと揺れる。

目眩をおこしたような、そんな感じで。


「だって、なんか…。もっと先の話だと……。
いま、…とは。……今、なんですね、」


驚きのあまり。嬉しさのあまり、返事をするのも二の次になっていて。


どうしよう。

どうしたらいい?


福元さんがくれた言葉を。


ゆっくり味わうべきか。

下げられてしまう前にガツガツといくべきか。


なんて。

そんなバカなことを考えて。

考えて。


ふと、じわじわと押し寄せる熱に気づく。


これは微熱ではすまないんじゃないか。


からだじゅうが熱くて。

ふいに溢れた涙も熱くて。


「いつ言おうか、と。考えてはいたけど」

親指で涙を優しく拭ってくれた福元さん。


「愛がくれた言葉が、すごく嬉しくて。
あれこれ考えるよりも、伝えたいって気持ちの方が強くなった。
あのときの言葉だって。
プロポーズされたみたいで、嬉しかったんだ」

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