スノードーム




そんな私の心臓を握り潰すかのように、先輩はニカッとあの時と同じ眩しい笑顔を浮かべながら両手を大きく振った。



ガバッ



反射的に窓から離れ机に伏せる。




「──────っ!」




なんで隠れたんだ私。

そう思うけど今自分がどんな顔してるか予想できるから顔は上げられない。


落ち着け。

きっとどこかに噂の彼女がいて、それがたまたまこっちの方で、先輩は彼女に手を振ったんだ。

そうだ。そうに決まってる。


それなのに。

あぁ、どうしよう。




(顔が、熱い)




心臓が痛いくらいバクバクしてる。

どうしよう。もう病気かもしれない、これ。




「好きだよ、バーカ」




どうして貴方は諦めさせてくれないの。




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