スノードーム




雅と優美ちゃんとわかれ、一人家までの道程を歩く。




「本当、静かだなぁ…」




ここが住宅街のせいか、はたまた時間が悪いのか。

冬のこの道はいつも以上に閑散としていて。

何となく寂しさを覚える。


別にいつも一人で帰っているわけじゃない。

今日はたまたま、優美ちゃんは塾で雅はデートだった。


…デートとか。当て付けか、このやろう。


でも一人で歩く時間も嫌いじゃない。


世界から切り離されたような感覚は寂しさと同時に気持ちを楽にもさせてくれるから。




「…寒い…」




そっと小さく呟いて吐き出したのは、真っ白な煙となって空へ消えていく吐息。




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