スノードーム
先輩と彼女さんのツーショットを目撃してから一日。
今日はまだ一度も先輩に会っていない。
寧ろ見かけてもいない。
というより、見かけないよう極力教室から出ないようにしていた。
そして気付けばもう放課後で。
先輩とは学年が違うから、教室から出なければ会うことはまずない。
それは私から行動しなければ先輩を見ることもないという現実を示していて。
鼻の奥がツンとする。
(完全な片想いじゃん…)
でも今日ばかりは自分が後輩でよかったと、遅く生んでくれたお母さんに感謝した。
だって、一方的にだけど気まずい。
まさかこんなふうに後輩でよかったと思う日がくるなんて。
「想像もしてなかったよなぁ…」