雪人
レイドは気絶しているとはいえ、落としてしまったリゼルに罪悪感が少し沸いてくる。こんな顔と喋り方だが、ナイーブな一面があるのを昔の友人ですら知らない。というか、ナイーブな一面があるとすら思われていない。
昔を思い出して少しショックを受けたレイド。
一先ず地面に倒れたまんまでいるリゼルを肩に担いでからハイドに話し掛ける。
「そうじゃよ、ハイドは相変わらず鋭いの。戦闘狂らしきやつが出るというのを風の噂で聞いたんじゃよ。それより、おまえさん。いつから師匠になったんじゃ?一匹狼で周りなんて無関係みたいな態度のおまえさんが。一体どういう心境の変化なんかいね?」
「さあな、しいて言えば…これから先の未来に繋がる小さな光を見つけた。と言っておこうか」
ハイドは優しい顔をして、ニーナと何か話しているルイを見て言う。
「なあ、レイド。浄化させたのかそいつ?」
ルイを見ていた視線をレイドが担いでいるリゼルに移して問い掛ける。
「もちろんじゃよ。ただ…戦闘狂に陥るやつらがこの頃増えてきて、わしゃ一人だけじゃなんとかしきれない範囲まで来たようじゃ」
レイドは苦笑いをして自嘲気味に言う。レイドのそんな様子を複雑な表情で見つめ、心配そうに言う。
「ハイド、無理はするなよ。今のところお前にしかできないんだからな」
「そうなんじゃが…これだけは譲れないんじゃよ…」
ハイドの言ってることはわかってるが、今の所自分にしかできないのが現状。
だからやめるわけにはいかないレイド。
ハイドはわかっていた。自分がこんなことを言ったところで、レイドが止めるわけがないことを…でも、言わずにはいられなかった。
このままでは考え込みそうなので、それよりレイドには辛い話だから、話を変えることにした。
「まだメリルには会ってないのか?」
「まだ会ってないんじゃよ。メリルって今何歳じゃったかいの?」
レイドは友人の優しさに気付き心の中で感謝し、いつものようにふにゃけた顔で言う。
「たしか…三十い「何を勝手に人の年齢なんか言おうとしてるのかしら。二人とも女性に対して失礼ってわかってるの。それだからもてないのよ、レイド、ハイド」
ハイドがメリルの年齢を言おうとしたら突然、女性特有の高い声に遮られた。