雪人

 参加者控え室に到着した三人は思いがけない人物が待っていたことに驚いていた。
特にレイドは懐かしむような目や表情をしてその人物を見ている。

「レイド、久しぶりだな。いつ以来になるか…お前と会ったのは?」

 壁にもたれ掛かっていた人物は体をレイドへと向け問い掛ける。

「こりゃ15.6年以来ぶりじゃかったかいの。おまえさんも相変わらずじゃね、ハイド」

「久しく呼ばれなかった名前だな。それよりお前も昔から変わらないな。喋り方と童顔な顔が」

 レイドに名前を呼ばれた師匠―ハイド―は昔と変わらない友人を見て笑う。
ルイは初めて師匠の名前をこの時に知った。
ハイドは笑っている顔から一転して真面目な顔になり、レイドに向け真剣色を帯さ声で一番言いたいことを言う。
レイドもハイドの表情を見てふにゃけた顔を無くし真顔に戻る。

「どうしてお前がこんな所に居るんだ?お前の実力じゃこんな大会出たって意味を為さないし、相手がいないだろ。じゃあ、その担いでいる奴が目当てで此処に来たのかよ?それともメリルか?」
 ルイとニーナは何のことを言っているのかわからず蚊帳(カヤ)の外にいた。ハイドの言ったことにやれやれといった感じて両手を上げて降参のポーズをする。担がれていたリゼルは手を挙げたことにより重力に引き寄せられるように、レイドの肩からずるずると下に落ちていった。
ドンっと鈍い音が響き、それに気付いたハイドはしまったと思い後ろを向くとリゼルが地面に倒れていた。
顔を片手で覆うレイド。年を重ねたことに治ってるかと少し期待していたが、治ってなかったかと思いハァーと溜め息を零すハイド。
この人馬鹿なのねと思うニーナ。
変なものでも見るような目でさっきまでの人なのか疑わしいと思うルイ。レイドの間抜けな行動にそれぞれ違うことを思う三人であった。
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