ナイショの恋を保存中!~クールな彼の恋人宣言~
あのあと聞こえてきた噂では、ヒロくんが酔っぱらって、近藤部長に絡み、逃げる近藤部長に喧嘩を売ったとか……

喧嘩って……

ヒロくんに限ってそんなことをするとは思っていない。たとえ酔っぱらっていたとしても。

それだけは信じられる。


じゃあ、相変わらず続いているこの恐怖にも似たものはなに?

密度の濃い真っ黒な影がわたしを煽り、責め立て、追いつめてくる。


世良課長に電話をしてみようかとも思ったけど、それだけはしてはいけないと思いとどまった。


「とりあえず帰ろう。ここにいても仕方がないんだし」

「……うん」


麻美ちゃんに言われてパウダールームを出る。

ヒロくんの携帯には何度も電話をした。

メールだってした。

だからちゃんと返事、くれるよね?

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