ナイショの恋を保存中!~クールな彼の恋人宣言~
抵抗するわたしを必死に腕の中に閉じ込めようとする。

わたしはその中でもがき、苦しみ、泣きわめいていた。

ヒロくんの気持ちはちゃんと伝わってくるのに。

わたしが到底太刀打ちできない次元のレベルで物事が進んでしまい、まるっきりわたしは蚊帳の外。

しかも、今、わたしは大切な人を激しく傷つけている。


「カホ、これだけは信じろよ。社長から縁談の話しを打診されたとき俺はちゃんとその場で断ったんだよ。でも、認めてもらえなかったんだ。会社の経営に関わることなんだって言われて」

「社長が?」

「東京稜星大学の来年度の保守契約が切られそうなんだ」

「近藤部長の仕業?」

「そうみたいだな」

「甥っ子というだけでそこまでのことになるの?」

「そのこと知ってたんだ……信じられないけどな。でも実際こんなことになったわけだし。近藤部長はもともと我儘で頭が切れるおぼっちゃまなんだよ」

「でも東京稜星が急にうちとの契約更新を中止にするなんて」

「おそらく、うちよりも安く保守契約する企業を学長に推薦したんだろうな。裏JVの契約も実際、白紙になりそうだし」


恐れていたことがどんどん現実になっていく。

一番辛いはずのヒロくんの気持ちをどうしてもっと考えてあげられなかったんだろう。
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