ナイショの恋を保存中!~クールな彼の恋人宣言~


「谷本さん?」


児島さんに不思議そうに声をかけられた。


「はい?」


いけない。今のわたし、児島さんには変に映っているかな?

頭の中がぐちゃぐちゃだった。

悲しいというより悔しいという気持ちが勝り、わたしの中は怒りが満ちていく。


「お茶出ししないの?」

「え?」

「だから、お茶出し」


そうだった。

わたしが唯一、誰にも負けないと自負していることがお茶出しだ。

だけど、それこそ、誰にでもできることなんだよね。


「早くしないと世良課長たちも出かけちゃうんじゃない?」
< 194 / 311 >

この作品をシェア

pagetop