ナイショの恋を保存中!~クールな彼の恋人宣言~
かなりの時間が経過したように思うんだけど。

感傷に浸っている場合じゃなかったよ。

お仕事に戻らなきゃ……

その前にと、恐る恐る鏡を見る。

うわわ……ひどい顔。

ばかばかばか。

今から残りの図面の修正をしないといけないのに。

こんな顔じゃ、戻れないよ。

でも戻らないわけにいかない。

あとでメイク直さなきゃ。

取りあえず、もう一度涙のあとがないのを確認して化粧室を出た。



事務所に戻るとデスクにヒロくんはいなかった。

ホワイトボードに目をやると出先が記されていたので、どうやらあのあと外出したみたい。

出かけるとさっき言っていたもんなあ。

当たり前か。

でも安心している自分がいる。

ぐずって逃げ出したくせに。怒られたくなくて、のこのこデスクに戻ってきた間抜けな姿を見られずにすんだんだって。
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