ナイショの恋を保存中!~クールな彼の恋人宣言~
「今日は先に帰るよ。谷本さんも気をつけて帰れよ」


世良課長はそう言い残しエレベーターホールの方へ歩いて行った。

わたしはその場で立ちすくみ、言葉の意味を噛みしめる。

抜け落ちていく身体の力。

考えもしなかった上司からの本気の告白はわたしの中に複雑に浸透していき、とても処理しきれなかった。



再び事務所に戻ると、事務所に残っていたのはヒロくんひとりだった。

省エネのためにヒロくんとわたしのデスクのみ照らされた蛍光灯。

その光によって確保されたわたしの居場所に言いようのないさみしさがこみ上げた。


静かに机の引き出しの中から自分のバッグを取り出す。

シーンと静まりかえった事務所で、お先に失礼しますとなかなか声に出せずにいると、わたしの立ち去る気配に気づいたヒロくんが振り向いた。
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