【B】明日は来るから 【優しい歌 外伝】







祐天寺の家では、考えられないような
懐かしい素朴な味が食卓を彩る。





切干大根。

お味噌汁。

茶碗蒸し。


そして焼き魚には
大根おろしがかけられて。





あっさりと翌日に残らないように
作られた和食料理。


そんな……おふくろの味を連想する
手料理に箸を伸ばした。




食事の後は、そのまま
勇生と美雪さん甘えて一泊する。



寝る前にノーパソを起動して
メールをチェックすると、
学会で知り合った友人から1通のメールを受信する。



7歳になる男の子を
お前に任せたい。





そうやって綴られたメール。
そのまま添付ファイルを開く。






そこに綴られている名前と年齢に
俺は画面を見つめながら固まった。






結城真人。






そう続けられた患者の懐かしい苗字。



そのまま添付されたデーターを
食い入るように見る。



4歳の時に川崎病を発症。


経過観察中の身で、
罹患を繰り返し、
7歳になった今年、
小学校の授業中に倒れ現状に至る。




一通りのデーターに目を通して、
友人へと返信する。



起きていたらしい友人からは、
即座に折り返しの電話が入り、
俺はその話を詳しく聞く。


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